数週間の筋トレで毎回近赤外光のレーザーを当てた2つの試験では、どちらもトレーニングだけの人より力が伸びました[Ferraresi 2011][Baroni 2015]。筋肉の大きさは、試験によって結果が分かれました。光を当てたのはトレーニングの直後と前で、どちらがよいかはまだ決まっていません[Ferraresi 2016]。

この記事に出てくる強さ・量・時間などの照射条件は試験のもので、機器の使い方の目安ではありません。

光を当てた人は2つの試験とも力が伸びた

筋トレの初心者か中くらいの運動をしていた健康な男性36人が、レッグプレス(座って脚で重りを押す運動)を12週続けた試験です。毎回のトレーニングの直後に、808 nm の近赤外光のレーザーを両脚の太ももの前に当てた人と、トレーニングだけの人を比べました。nm(ナノメートル)は、光の色を表す波長の単位です。レッグプレスで1回だけ押せる最大の重さは、光を当てた人で55%、トレーニングだけの人で26%増えました[Ferraresi 2011]。

健康な男性30人が、膝の筋トレを8週続けた試験もあります。機械が膝を一定の速さで曲げていくのに、膝を伸ばす力で逆らう運動です。毎回のトレーニングの前に 810 nm のレーザーを当てた人と、トレーニングだけの人を比べました。膝を伸ばそうとして動かないものを押す力は、光を当てた人で20.5%、トレーニングだけの人で13.7%増えました[Baroni 2015]。

筋肉の大きさは試験によって分かれた

筋肉の大きさは、2つの試験で測ったものが違い、結果も分かれました。レッグプレスの12週の試験では、利き脚の太ももの周りの長さを測りました。光を当てた人で4.52%、トレーニングだけの人で2.75%増えましたが、偶然のばらつきと区別できる差ではありませんでした[Ferraresi 2011]。

膝の筋トレの8週の試験では、超音波で太ももの筋肉の厚みを測りました。光を当てた人で15.4%、トレーニングだけの人で9.4%増え、光を当てた人のほうが大きく増えました[Baroni 2015]。

試験光を当てた時力(光を当てた人/トレーニングだけの人)筋肉の大きさ
レッグプレスの12週の試験(36人)毎回のトレーニングの直後に 808 nm1回だけ押せる最大の重さ 55%/26%太ももの周りの長さ:差は出なかった
膝の筋トレの8週の試験(30人)毎回のトレーニングの前に 810 nm動かないものを押す力 20.5%/13.7%超音波で測った筋肉の厚み:15.4%/9.4%

出典:上から[Ferraresi 2011][Baroni 2015]

トレーニングの前か後かはまだ決まっていない

レッグプレスの12週の試験と同じ著者が、筋肉への光の試験を見渡した論文(2016年)を書いています。トレーニングで、運動の直後より前に当てたほうがよかったという研究もあり、前と後のどちらがよいかは、まだはっきりしないとしています[Ferraresi 2016]。

筋肉の試験で使われた光は赤色光と近赤外光

同じ論文によると、筋肉への光の試験で使われた光は、主に赤色光(630〜660 nm)と近赤外光(808〜950 nm)でした。腕の筋肉の成績では、赤色光と近赤外光で差が出なかった研究があります。それでも、発表された研究では近赤外光がよく使われているように見え、著者らはその理由として、近赤外光のほうが筋肉に届きやすいことを挙げています。


参考文献