遅発性筋肉痛は、慣れない運動や激しい運動のあと24〜72時間で現れる、筋肉の痛み・こわばり・押したときの痛みです。運動で筋肉痛を起こしたあとに光を当てた試験を集めたメタ分析では、光を当てた人のほうが、偽の装置を使った人より、痛みが軽く、筋力の戻りも早くなりました[Tsou 2025]。

この記事に出てくる強さ・量・時間などの照射条件は試験のもので、機器の使い方の目安ではありません。

痛みも筋力も偽の装置の人よりよくなった

この論文は、台湾の研究グループが2025年に出したメタ分析です。メタ分析は、同じテーマの試験をいくつか集め、その結果を1つの大きな試験のように合わせて計算し直す論文です。この論文は、運動で筋肉痛を起こしたあとに光を当て、偽の装置と比べた試験を集めています。

試験では、運動の直後から96時間後まで、何回かに分けて痛みと筋力を測っています。痛みは、「痛みなし」から「最も強い痛み」までの線の上に、自分の痛みの位置を印で答える点数です。筋力は、筋肉痛で落ちた力がどれだけ戻ったかです。計算し直すと、光を当てた人のほうが、痛みは72時間後と96時間後に軽く、筋力は24時間後と48時間後に早く戻っていました。

ジャンプや切り返しの戻りは早くならなかった

片脚で前に跳ぶ距離・垂直跳び・切り返しの速さを測った試験では、筋肉痛で落ちたこれらの成績が元に戻る速さは、光を当てても変わりませんでした。著者らは、筋力(大きな力をゆっくり出し切る動き)と、跳ぶ・切り返す動き(小さな力を速く出す動き)は種類が違うとしています。そのうえで、光は短く爆発的な動きの回復には働きにくい可能性を挙げています。

試験は運動のあとに痛む筋肉へ当てていた

メタ分析に集められた試験は、どれも運動のあとに、筋肉痛を起こした筋肉へ光を当てています。

当て方メタ分析に集められた試験
いつ運動のあと
どこに筋肉痛を起こした筋肉
光赤色光から近赤外光。LED の試験もレーザーの試験もある
時間と回数試験ごとに違う

出典:[Tsou 2025]。色の区切りは[Guo 2025]

著者らは、試験ごとに当て方も測り方も違うので、人数の多い、当て方のそろった試験が要るとしています。運動の前に当てて筋肉痛を防げるかも、これからの課題に挙げています。


参考文献