レッドライトセラピー(赤色光療法)でよく聞かれるのが、「どれくらいの時間、当てればいいのか」という質問です。研究論文には、当てた光の条件が数字で細かく書かれています。この記事では、その数字の読み方と、実際の試験で使われてきた条件を紹介します。
2つの数字——「強さ」と「合計量」
研究では、光の量を主に2つの数字で表します。
- 照度(irradiance):光の強さです。単位は mW/cm²(ミリワット毎平方センチメートル)。肌の表面に当たっている光が、どれくらい強いかを示します。
- 照射量(dose / fluence):合計でどれだけの光を浴びたかです。単位は J/cm²(ジュール毎平方センチメートル)。「照度 × 時間」で決まります。
料理にたとえるなら、照度は火の強さ、照射量は加熱の合計量にあたります。同じ合計量でも、強い光を短時間当てるか、弱い光を長く当てるかで組み合わせが変わります。
必要な時間は機器の照度で変わる
照射量(J/cm²)は、照度(mW/cm²)と時間の掛け算です。そのため、目標の照射量が決まっていても、必要な時間は使う機器の照度で変わります。強い機器なら短く、弱い機器なら長くなります。
家庭用機器で「何分当てればいいか」が製品ごとに違うのは、これが理由です。時間だけを他の機器と比べても意味がありません。その機器の照度と合わせて考える必要があります。機器に使用時間の目安が書かれていれば、まずはそれを確かめるのが現実的です。
実際の試験で使われてきた条件
肌を対象にした臨床試験では、次のような条件が使われてきました。
Wunsch と Matuschka が2014年に行った試験では、611〜650 nm の赤色光をおよそ 9 J/cm² に調整し、1回12〜25分を週2回のペースで合計30回(約15週間)当てています[Wunsch 2014]。
Couturaud らが2023年に行った試験では、630 nm の LED マスクで1回あたり 15.6 J/cm² を12分間当て、週2回のペースで3か月続けています[Couturaud 2023]。
2つの試験には共通点があります。1回あたり10〜15 J/cm² 前後の光を10分台かけて当て、それを週に2回ほど、数か月続けた点です。どちらも1回で終わりにせず、一定の間隔をあけて繰り返しています。
多ければよいわけではない
光の量には適した範囲があります。研究では、少なすぎると反応が起きにくく、多すぎると効果が頭打ちになったり逆転したりすることが知られています。そのため、目安を大きく超えて長く当てても、より良い結果につながるとはかぎりません。
この記事のまとめ
- 光の量は「照度(強さ、mW/cm²)」と「照射量(合計量、J/cm²)」の2つで表します。
- 必要な時間は、目標の照射量を機器の照度で割って求めるため、機器ごとに変わります。
- 肌の臨床試験では、1回10〜15 J/cm² 前後・10分台・週2回・数か月という条件が使われてきました[Wunsch 2014/Couturaud 2023]。
- 光の量には適した範囲があり、長く当てるほど良いわけではありません。
参考文献
- Wunsch A, Matuschka K. A Controlled Trial to Determine the Efficacy of Red and Near-Infrared Light Treatment in Patient Satisfaction, Reduction of Fine Lines, Wrinkles, Skin Roughness, and Intradermal Collagen Density Increase. Photomed Laser Surg. 2014;32(2):93-100. DOI: 10.1089/pho.2013.3616
- Couturaud V, et al. Reverse skin aging signs by red light photobiomodulation. Skin Res Technol. 2023;29(7):e13391. DOI: 10.1111/srt.13391