赤色光を週2回当てた2つの試験で、しわがよくなりました。全身用のランプを計30回使った試験では、写真でしわがよくなったと判定された人が、光を当てなかった人より多く出ました[Wunsch 2014]。顔にLEDマスクを3ヶ月使った試験では、使う前と比べて、目尻のしわが月を追って浅くなりました[Couturaud 2023]。

この記事に出てくる強さ・量・時間などの照射条件は試験のもので、機器の使い方の目安ではありません。

2つの試験の中身は、次の表のとおりです。表と本文の nm(ナノメートル)は、光の色を表す波長の単位です。± は、中心の波長からの前後の幅を表します。

全身用のランプ(計30回)[Wunsch 2014]家で使ったLEDマスク(3ヶ月)[Couturaud 2023]
対象27〜79歳。最後まで続けたのは、赤色光のランプ57名・波長の範囲が広いランプ48名・光を当てなかった23名45〜70歳の20人
光赤色光のランプ(611〜650 nm)、または波長の範囲が広いランプ(570〜850 nm)赤色光(630±10 nm)
当て方1回12〜25分、週2回、計30回1回12分、週2回、3ヶ月
比べた相手光を当てなかった23名同じ人の使う前
しわよくなったと判定された人が、赤色光のランプで57名中40名、波長の範囲が広いランプで48名中36名、光を当てなかった人で23名中1名目尻のしわの深さが3ヶ月で38.3%減った

全身のランプでは光なしよりしわがよくなった

ドイツの試験で、27〜79歳の136名が参加し、128名が最後まで続けました。光を当てた人は、赤色光のランプ(611〜650 nm)か、波長の範囲が広いランプ(570〜850 nm。近赤外光まで含む)で、1回12〜25分、週2回、計30回当てました。ランプは顔を含めて全身に当てるもので、波長の範囲が広いランプの1台だけは顔と胸元に当てるものです。費用とランプは、試験を依頼した会社が出しています[Wunsch 2014]。

しわは、3人の医師が、始める前と30回のあとの写真を、どちらが先か知らされずに見比べて判定しました。判定は、よくなった・同じ・悪くなったの3つから選ぶ形です。どこのしわを判定したかは論文に書かれておらず、例として載っている写真は額と首です。

比べる相手は、光を当てなかった23名です。しわがよくなったと判定されたのは、赤色光のランプで57名のうち40名、波長の範囲が広いランプで48名のうち36名でした。光を当てなかった人では、よくなったのは23名のうち1名で、17名が悪くなったと判定されました。

この試験の30回は、1月から6月にかけて当てました。著者らは、光を当てなかった人のしわが悪くなったのは、冬から夏への季節の変化と日光が影響した可能性があるとしています。写真には、日焼けによる色素沈着が写っていました。

目のまわりの肌の粗さも、光を当てた人ではよくなり、光を当てなかった人では悪くなりました。真皮(肌の奥の層)でコラーゲンの繊維がどれだけ密に詰まっているかを超音波で測ると、光を当てた人では前より密になり、光を当てなかった人では変わりませんでした。著者らは、以前の研究で、コラーゲンが密になることと老化のサインが減ることが結びついていたと紹介しています。赤色光のランプと波長の範囲が広いランプの間には、しわにも、粗さにも、コラーゲンにも差が出ませんでした。

家のマスクで目尻のしわが月ごとに浅くなった

45〜70歳の20人(女性15人・男性5人)が、赤色光(630±10 nm)を出す家庭用のLEDマスクを、1回12分、週2回、3ヶ月使いました。報告したのは化粧品会社ディオールの部門で、共著者にはマスクを作った会社の関係者が入っています[Couturaud 2023]。

比べる相手は、同じ人の使う前です。目尻のしわの深さは、1ヶ月で15.6%、2ヶ月で34.7%、3ヶ月で38.3%減りました。論文は、毎日のスキンケアやメイクも肌に影響するので、マスクで上乗せされた分がどこまでかは分からないと書いています。

3ヶ月後には、顔の輪郭のたるみ(見た目でつけた点数)が24.8%、頬の肌の粗さ(測った値)が23.8%減りました。20人全員が、肌の状態がよくなったと答えています。マスクを3ヶ月使い終えたあと、14日後と28日後にもう一度測りました。どの項目も、使い終えた時点と同じ水準のままでした。


参考文献