肌のしわ・ニキビ・髪・睡眠のどれにも、光を当てた人のほうが、偽の装置を使った人や光を当てなかった人よりよい結果になった試験があります。その試験の当て方は、目的ごとに違います。目的ごとの当て方と結果は、次の表のとおりです。表と本文の nm(ナノメートル)は、光の色を表す波長の単位です。
この記事に出てくる強さ・量・時間などの照射条件は試験のもので、機器の使い方の目安ではありません。
| 目的 | よい結果が出た試験の当て方 | どうなったか |
|---|---|---|
| 肌のしわ | 週2回、1回12〜25分[Wunsch 2014][Bragato 2025][Couturaud 2023] | 全身用のランプの試験で、光を当てなかった人より、しわがよくなったと判定された人が多かった |
| ニキビ | 家庭用の装置で1回2.5分を1日2回、4週[Kwon 2013] | 12週の時点で、炎症のあるニキビが77%、炎症のないニキビが54%減った |
| 髪 | 1回8〜30分を16〜26週[Son 2025] | 偽の装置を使った人より、毛髪密度が高くなった[Liu 2019] |
| 睡眠(健康な選手・慢性の不眠・うつ病の人) | 全身に赤色光(658 nm)を毎晩30分、14日/額に1回10分を3日続ける/頭に着ける装置を1日20分以上、8週[Zhao 2012][Mehdizadeh 2025][Guu 2025] | 光を当てなかった人や偽の装置を使った人より、睡眠の質がよくなった |
肌のしわの試験は3つとも週2回
全身用のランプで肌に当てた試験(30回)では、写真でしわがよくなったと判定された人が、光を当てなかった人より多く出ました。判定したのは3人の医師で、どちらが先の写真かを知らされずに、始める前と30回のあとの写真を見比べました。よくなったと判定されたのは、赤色光のランプ(611〜650 nm)で57名中40名、波長の範囲が広いランプ(570〜850 nm。近赤外光まで含む)で48名中36名です。光を当てなかった23名では、よくなったと判定されたのは1名で、17名が悪くなったと判定されました[Wunsch 2014]。
当て方は、体の広い範囲に光を浴びるランプで、1回12〜25分を週2回、計30回です。2つのランプの間には、差は出ませんでした。
LEDマスクの試験も2つあり、どちらも週2回です。施術者が当てたLEDマスクは1回21分を1ヶ月、家で使ったLEDマスクは1回12分を3ヶ月でした[Bragato 2025][Couturaud 2023]。施術者が当てたマスクでは、週3回にしても週2回と結果に差は出ませんでした[Bragato 2025]。2つのマスクでしわがどうなったかは、LEDマスクの記事にあります。
ニキビが減った試験は1回2.5分を1日2回
軽〜中等度のニキビがある35名の試験では、家で使う装置で光を当てた人の炎症のあるニキビ(赤く腫れたもの)が77%、炎症のないニキビ(白ニキビ・黒ニキビ)が54%減りました。偽の装置を使った人では、偶然のばらつきと区別できる変化は出ませんでした[Kwon 2013]。
当て方は、青(420 nm)と赤(660 nm)を出す家庭用の装置で、1回2.5分を1日2回です。装置を使ったのは最初の4週で、ニキビを数えたのは使い始めから12週の時点です。
毛髪密度が高くなった試験は1回8〜30分
男性型・女性型の薄毛の成人に弱いレーザー(低出力レーザー)を当てた11件の試験をまとめると、レーザーを当てた人は、偽の装置を使った人より毛髪密度が高くなりました[Liu 2019]。
当て方は、同じ11件を一覧にした別の論文によると、630〜808 nm のレーザーを1回8〜30分、16〜26週でした[Son 2025]。11件を当てる頻度で分けると、頻度が低い試験のほうが、高い試験より、偽の装置との差が大きくなりました[Liu 2019]。この分析を紹介した2021年の論文によると、頻度は1週間に当てた時間の合計で分けていて、60分未満を「低い」、60分を超えるものを「高い」としています[Martínez-Pizarro 2021]。
睡眠の質がよくなった試験は3日から8週
睡眠の試験は3つあり、どれも、光を当てなかった人や偽の装置を使った人より、睡眠の質がよくなりました[Zhao 2012][Mehdizadeh 2025][Guu 2025]。
重い不眠のない健康な女子バスケットボール選手20名の試験では、全身に赤色光(658 nm)を毎晩30分、14日当てました[Zhao 2012]。慢性の不眠がある30名の試験では、額に 810 nm の光を1回10分、3日続けて当て、1週間後に測りました[Mehdizadeh 2025]。うつ病の外来患者48名の試験では、頭に着ける装置を1日20分以上、8週使いました[Guu 2025]。
参考文献
- Wunsch A, Matuschka K. A controlled trial to determine the efficacy of red and near-infrared light treatment in patient satisfaction, reduction of fine lines, wrinkles, skin roughness, and intradermal collagen density increase. Photomed Laser Surg. 2014;32(2):93-100. DOI: 10.1089/pho.2013.3616
- Bragato EF, Paisano AF, Pavani C, et al. Role of photobiomodulation application frequency in facial rejuvenation: randomized, sham-controlled, double-blind, clinical trial. Lasers Med Sci. 2025;40(1):170. DOI: 10.1007/s10103-025-04383-1(試験の登録: ClinicalTrials.gov NCT04911140)
- Couturaud V, Le Fur M, Pelletier M, Granotier F. Reverse skin aging signs by red light photobiomodulation. Skin Res Technol. 2023;29:e13391. DOI: 10.1111/srt.13391
- Kwon HH, Lee JB, Yoon JY, et al. The clinical and histological effect of home-use, combination blue-red LED phototherapy for mild-to-moderate acne vulgaris in Korean patients: a double-blind, randomized controlled trial. Br J Dermatol. 2013;168(5):1088-1094. DOI: 10.1111/bjd.12186. PMID: 23278295
- Liu KH, Liu D, Chen YT, Chin SY. Comparative effectiveness of low-level laser therapy for adult androgenic alopecia: a system review and meta-analysis of randomized controlled trials. Lasers Med Sci. 2019;34(6):1063-1069. DOI: 10.1007/s10103-019-02723-6. PMID: 30706177
- Son Y, et al. Effects of photobiomodulation on multiple health outcomes: an umbrella review of randomized clinical trials. Systematic Reviews. 2025;14:160. DOI: 10.1186/s13643-025-02902-3
- Martínez-Pizarro S. Low-level laser therapy for androgenetic alopecia. Actas Dermo-Sifiliográficas (English Edition). 2021;112(2):99-102. DOI: 10.1016/j.adengl.2020.03.017
- Zhao J, Tian Y, Nie J, Xu J, Liu D. Red light and the sleep quality and endurance performance of Chinese female basketball players. J Athl Train. 2012;47(6):673-678. DOI: 10.4085/1062-6050-47.6.08
- Mehdizadeh M, Farnam A, Nikzad B. Transcranial photobiomodulation improves sleep quality, reduces daytime sleepiness, and modulates delta power in chronic insomnia: a randomized controlled trial. Lasers Med Sci. 2025;40. DOI: 10.1007/s10103-025-04699-y. PMID: 41125953
- Guu TW, et al. Wearable, self-administered transcranial photobiomodulation for major depressive disorder and sleep: A randomized, double blind, sham-controlled trial. J Affect Disord. 2025;372:635-642. DOI: 10.1016/j.jad.2024.12.065. PMID: 39706483